【 11月度 月間ベスト5 】 ReBoooT’s Monthly Ranking NOV

今月は東京国際映画祭もあり、特に前半は劇場公開作をフォローすることが出来なかったです。個人的に『水上のフライト』『ストックホルム・ケース』『ジオラマボーイ・パノラマガール』などを取りこぼしているのは悔いが残ります。

満足行く観賞リストではないですが、11 月公開作品で絞ると数として13作品。(アンダードッグは前・後編で 1 作品カウントとしています。)もうちょっとがんばれたかなという印象です。

観賞した作品リストを以下でまとめています。

11月公開作品で観賞した新作映画リスト


全 13 作品ここからベスト 5 作品を選びたいと思います。

NOVEMBER BEST 5 FILMS – 11月公開作品ベスト 5

第 5 位 『君の誕生日』

君の誕生日

滂沱の涙を流すとはこのことか、と言わんばかりの泣ける作品。仰々しいラストに賛否あるが、個人的には肯定派。激しく泣けた。
見えなかったセウォル号事故特有の問題や遺族に対する現在の韓国世論も感じ取れる。本作がデビュー作イ・ジョンオン監督だが、ボランティアで遺族に触れていた経験がベースになっているという。隣国の事情を少し知れたのも有意義と感じた一つの要因。
船長の過失、国の対応、人為的な要素も混じり、どこまでが事故、どこまでが事件なのか定かではないセウォル号の一件。そういった複雑性から始まり、どこに責任所在があるか見えないことも遺族のこの苦しみをさらに強めているのだろう。
不幸の連鎖は偶発ではなく因果ある連続性をもって続くことが現実にあることをこの作品からは学べる。

第 4 位 『佐々木、イン、マイマイン』

佐々木、イン、マイマイン

役者としても脚本としても参加している佐々木役の細川岳がこれから気になる人になった作品。藤原季節もイケメンとフツメンの二面性があって魅力的。
作品自体に好感が持てるのはなにより、変に大人びたりせず、同世代の創り手たちが自分たちしか撮れない映画を創ろうとしたこと、そしてそのレベルの高さに感動した。
30代になったら高校時代の成り立ちが現在につながる線として細いものになってくるだろう。
社会的な「変わりたい」と人間的な「変わりたくない」が同居する20代後半の尖り方は、明らかに高校時代の延長線上にあるようにあらためて理解できる。

オアシスのファーストアルバム「Definitely Maybe」を思い出すような作品。

[観賞後レビュー(ネタバレなし)]【作品論評】映画『佐々木、イン、マイマイン』 – “過去”が生む、”現在”を走らせてくれる光

第 3 位 『ヒトラーに盗られたうさぎ』

ヒトラーに盗られたうさぎ

変に教訓を得ようとせず、単純にアンナの可愛さに寄り添い、健気で肝の座った10歳の女の子の成長を見守るのが、この映画の正しい見方と勝手に解釈している。

大悪党ヒトラーが登場する映画にはありがちな、もっと事を大げさにひたすらネガティブに描き、その反動を光明として派手に見せることもできたと思うが、アンナの持つ空気感をそのままに映画として包み込んでいる。それゆえ、全体が日常的な前向きな戦いに移り、ラストまでどこか微笑ましい暖かさをまとっている。

原作を書いた絵本作家ジュディス・カーにも触れたくなる暖かい作品。ドイツ映画のブランドをまた一つ強くした。

第 2 位 『アンダードッグ』 前篇・後編

アンダードッグ

前篇は宮木役の勝地涼にもってかれる。スベリキャラは勝地涼の得意とするところだが、特にラストのボクシングシーンの宮木の迫力は圧巻。後編は北村匠海をライバルとして物語が進行。
前篇に比べボクシングのシーンもスピーディーで切れ味鋭いものに切り替わる。前後編の長編だが時間を感じない面白さ。
作品のつくりとしても、前篇ラストの後半への繋ぎ、後編でのラストに向けた運びも素晴らしい。脇で支える二ノ宮隆太郎や熊谷真実はシリアスな作品全体の空気感の中だからこそか、掛け合いが面白くて仕方ない。
主人公末永晃は、すぐそこに落ちている「取り繕える選択肢」を拾い、自分の石を持って選ぶことのできない惰性の男。この男は本当の意味で負けない。勝つための勝負をしていないから。「負け犬」にもなれない男がどうやって「負けきる」かを見る映画。
最低な男の最高のボクシング映画だと思ってます。甲乙つけがたいが『あゝ荒野』に並ぶ名作。

第 1 位 『 魔女見習いをさがして 』

 魔女見習いをさがして

TVシリーズおジャ魔女どれみ終了からはや15年。
当時、多くの子供達が、完璧な”魔法使い”ではなく、”魔女見習い”に憧れたのはなぜか、それが今になってあらためて理解できるような作品。その新作を、画面の中の主人公たちではなく、当時画面の外にいた視聴者をモデルにした主人公で創ったことがなにより新鮮で効果的だった。
この作品の描き方は、おジャ魔女どれみを通して存在する同じ時間を生きるファンの円線を感じることができる。そして、その円線によりイマを生きている実感と、時がたったイマの「おジャ魔女どれみ」を感じることができる
おジャ魔女どれみファンになっては心の深いところに響くだろうし、そうでなくともアニメファンならリバイバル作品の新しい手法をこの作品に見ることができる。
僕は東京国際映画祭で本作の終演後に、たぶん魔法玉を持ってどれみたちに胸踊らせていただろう その昔の子供たちが、今 大人見習いになって涙している姿 をたくさん見ることができた。家に帰ってTVシリーズ見直したり、昔のおもちゃをあさったり、その当時の友達のことを思ったり、親とおジャ魔女について会話したり、なんとなく想像がつく。本当に良い作品。

期待の12月公開作品

12月はクリスマスシーズン。話題作、大作も目白押しです。

顕著なのが、せき止められていたハリウッド映画に動きが。こんなに分かりやすいハリウッド作品が並ぶのは久しぶりな気がします。
12月4日にはアン・ハサウェイ主演『魔女がいっぱい』、18日は『ワンダーウーマン1984』『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』。

邦画では18日に久方ぶりの のん が主演をつとめる『私をくいとめて』、25日にはアニメリメイクで世界観ごと変えてきた『ジョゼと虎と魚たち』、ともに観賞済みだが素晴らしい出来だと思う。特に前者は『勝手にふるえてろ』の 綿矢りさ原作 × 大九明子監督 コンビなのでふるえてろファンは要チェックです。
未観賞なところでは、吉沢亮主演『AWAKE』、それとやはり『えんとつ町のプペル』は気になっています。

他にも洋画では『燃ゆる女の肖像』『ノッティングヒルの洋菓子店』『声優夫婦の甘くない生活』『100日間のシンプルライフ』などは劇場で観たいと思っています。

やはり映画フリークにとって忙しい1ヶ月になりそうですね。また週次で観た作品をピックアップしてレポートしていきたいと思います。では。