【観賞後レビュー&満足度ランキング】11月20日公開作品 – ReBoooT’s Weekly Ranking

11月20日公開の新作映画で期待していた作品を3本ピックアップして勝手に満足度をランキングにしています。
【新作期待ランキング】11月20日公開映画 – 予告編で観に行く3本を決める

こちらで選んだ作品3本がこちらです。

予告編を観て期待したランキング(観る前)

3 位:『泣く子はいねぇが』公式サイト
監督・脚本:佐藤快磨
企画: 是枝裕和
キャスト:仲野太賀、吉岡里帆、寛一郎、余貴美子、柳葉敏郎

『泣く子はいねぇが』作品紹介・注目ポイントはこちら

2 位:『ばるぼら』公式サイト
監督:手塚眞
撮影:クリストファー・ドイル(『ある船頭の話』『ブエノスアイレス』)
脚本:黒沢久子
原作:手塚治虫(『ブラック・ジャック』『ブッダ』『鉄腕アトム』)
キャスト:稲垣吾郎、二階堂ふみ、渋川清彦、石橋静河、美波

『ばるぼら』の作品紹介・注目ポイントはこちら

1 位:『エイブのキッチンストーリー』公式サイト
監督・原案:フェルナンド・グロスタイン・アンドラーデ
脚本:ラミース・イサック、ジェイコブ・カデル
キャスト:ノア・シュナップ、セウ・ジョルジ

『エイブのキッチンストーリー』の作品紹介・注目ポイントはこちら

選んだ理由等はこちらの記事で見てもらえるとうれしいです。
 【新作期待ランキング】11月20日公開映画 – 予告編で観に行く3本を決める

邦画 2 本のうち一つは、漫画原作アーティスト主人公の退廃的な雰囲気のもの。もう一つはメジャー長編 初監督作品でオリジナル脚本と、ある程度はリスキーな作品と覚悟して劇場に向かいました。想像通り危なっかしい作品でしたが、すごくチャレンジしている作品です。媚びへつらった作品ではないことに好印象を持ちました。

実際観ての満足度ランキング(観た後)

3位:『ばるぼら』 (観る前の期待ランキング 2 位)

【 ひとことレビュー 】
手塚治虫に触れた経験があれば、原作を読んでなくとも漫画を想起できるような映画でした。良くも悪くも漫画的で映画っぽくない印象を個人的には感じました。美倉のばるぼらへの偏愛過程、それに比例した創作意欲の沸き立つ様、ミューズたる所以をもっと見せてほしかったです。
この作品は手塚治虫自身の背景と重ね合わせて深読みするほうが個人的には楽しいと思います。70年代に入り作風がより大人向けになり苦味も効かせたものにシフトしていく前段で、手塚治虫自身がどこか自分が積み重ねたものへの破壊願望があり、それを投影したのが「美倉洋介」だったのではないかと想像します。
あわせて捨てきれない創作意欲と願望とが相まって生まれた作品が『ばるぼら』と、そこにも勝手にストーリーや広がりを持つと楽しめる作品だと思います。

観賞前の期待はこちらに → 『ばるぼら』の作品紹介・注目ポイントはこちら

2位:『泣く子はいねぇが』 (観る前の期待ランキング 3 位)

【 ひとことレビュー 】
通して描いているのは普通にいる駄目男。ただ、この駄目男の描き方が絶妙でとてもリアル。学校にも社会にも思いつく人がいるし、観ていると自分のことかもとも思う瞬間もあります。応援したい気持ちはあるし、でも簡単には変わらない男なのを身を持って理解している。
本作で描かれる、主語を常に他人に預け、向き合うこと・決めることから常に逃げ続けた男の顛末。最後は、結構観る側の解釈のブレ幅は大きそうで、そこの捉え方で評価も変わってくると思います。おそらく監督として意図しているところだと思います。なまはげという伝統行事の再現性、活用性も満足。
僕としては、起承転結における時間配分や展開における解像度の細かさ・粗さに違和感を感じました。

観賞前の期待はこちらに → 『泣く子はいねぇが』作品紹介・注目ポイントはこちら

1位:『エイブのキッチンストーリー』(観る前の期待ランキング 1 位)

【ひとことレビュー】
サムネイルやタイトルの印象とは全く違う。ガチンコなアイデンティティーの問題です。浅はかにもルーツである民族・人種問題に迷う主人公エイブの物語と思いましたが、もっと深いところで、歴史的な人種の対立や宗教問題も踏まえて家族自体がカオスであり、その中で四方八方に散らかる教えを受けてエイブの頭もカオス、という状態の話。
料理が好きで料理を通して成長していく過程もありますが、料理が必殺技になっている感じは受けませんでした。もちろん物語上では重要なエッセンスにはなっていますが。
個人的には、もっといろんな料理を見れると思ったのでそこは残念。
主演のノア・シュナップは可愛く、健気で、年頃のストレスや怒りを表現していて、素晴らしい演技でした。
11月27日公開の『アーニャは、きっと来る』も主演で大忙しのノア・シュナップ。わかりやすく才能を開花させておりますが、ハリウッドの悪癖に沿わないように真っ直ぐ成長してくれることを勝手に親心的に祈っています。

観賞前の期待はこちらに → 『エイブのキッチンストーリー』作品紹介・注目ポイントはこちら

全体を通しての感想

満足の行く3本には至らず。特に『エイブのキッチンストーリー』は惜しい感はあります。テーマもエッセンスも主演も良かったのでもう少し練り方を変えれば…とも思いますし。

『泣く子はいねぇが』の佐藤快磨監督はメジャー長編の初監督作品なのでしょうか。健全な気持ち悪さを残すこの仕掛られた余韻は末恐ろしさを感じます。伝統的な日本文化を取り入れたのも監督のフェイバリットだとしたら、今後推したい監督になるかもしれません。

東京国際映画祭で先行観賞した『滑走路』、毛色は違いますが『魔女見習いをさがして』、個人的にはこちらの2つのほうが広がりを持てる作品だったように感じます。
『滑走路』踏みとどまり、振り返り、また前を向く【東京国際映画祭レポート】

特に『魔女見習いをさがして』に関しては『おジャ魔女どれみシリーズ』に触れていなくても、刺さるものがあると思います。ぜひこちらは観てほしいです。
『魔女見習いをさがして』おジャ魔女どれみから15年の神リバイバル作品 【東京国際映画祭2020レポート】

3本という週で現実的に時間の避ける本数でピックアップしているのですが、中々難しさを感じます。次週は少し角度を変えてピックアップしようかなと思っています。